個人事業主が開業届を出さないっていいの?メリットやデメリットについて解説!

開業届

お店を開業・起業する時にまず最初にやるといってもいい、「個人事業の開業・廃業届出書」、略して「開業届」の税務署への提出。

この開業届っていつ出せばいいのかいまいち分からないですよね。
特に私のような主婦の場合など、扶養に入っている場合、扶養から外れたらどうしよう?なんて不安もあると思います。

  • 開業届の提出タイミングっていつなの?
  • 提出するメリットやデメリットなどは何があるの?

zそんな疑問のある方に、既に開業届を提出し起業した私が実体験も踏まえながら、ご説明していきます。

開業届を出す決まりと罰則について

まず、開業届を出す原則ですが、 開業日から1ヶ月以内 という決まりがあります。

「えっもうお店を始めてから、とっくに1ヶ月以上たってる( ゚д゚)!」という方、結構多いんじゃないでしょうか?
ご安心ください。開業届の未提出に対する罰則の定めは特になく、開業届を出し忘れたり出さなかったからといって、ペナルティはありません。

ただし、専業の人なら年間38万円以上、副業の人は年間20万円以上の所得があれば、確定申告はしなければいけないので、それに該当する人が開業届の提出も確定申告もしていない場合は脱税になり、ペナルティがあるので気をつけてください。

つまり、1ヶ月の期限を過ぎた後でも出そうと思えばいつでも出せますし、簡単に出す方法もあるので気づいた時にすぐに出しましょう^_^
下の簡単に出す方法の記事も参考にしてみてください。

開業届を個人事業主が簡単に郵送で提出する方法!【知らなきゃ損!】

ただし、開業届を出すことが、デメリットになる場合もありますので、そこは確認しておく必要があります。

開業届を提出するデメリット

デメリットは以下の2つになります!

デメリット
  1. 失業保険が支給されなくなる
  2. 健康保険の扶養から抜けてしまうかもしれない

順に説明していきますね。

①失業保険が支給されなくなる

開業届を提出した時点で、お店や事業を持つことになるので、当然、「あなたは失業者ではないですね!」として扱われます。
失業保険は、失業者が次の仕事を見つけるまでの間、サポートすることを目的としているので、支給の対象から外れることになります。

ですので、失業手当をもらっている個人や主婦の場合は、収益の見込みがあまりない状態で、開業届を提出してしまうと、逆に困ってまう場合があるので気をつけてください。

②健康保険の扶養から抜けてしまうかもしれない

ここは特に私のような夫の社会保険(病院にかかる時にだす保険証のことです)の扶養に入っている主婦の方に気をつけていただきたいのですが、ほとんどの社会保険の扶養の条件が、年間の合計所得が130万円未満になっているのですが、   まれに、合計所得が130万円以内でも、開業届を出しただけで、扶養から外れてしまう社会保険が存在します。  

つまり、開業したばかりで儲けもないのに、「あなた開業したから、今日から社長でしょ!お金持ちだから扶養外します!」ってことです。(あくまで私のイメージですが笑

扶養から抜けた場合は、国民健康保険を自分で払わないといけなくなりますので、こちらも収益の見込みがあまりない状態で、開業届を提出してしまうと、逆に困ってまう場合があるので気をつけてください。
ご主人に条件を確認してもらいましょう。

開業届を提出するメリット

開業届を出すメリットは以下の7つになります!
メリット
  1. 青色申告ができる
  2. 3年にわたって赤字の繰り越しが可能
  3. 家の光熱費などを経費にできる
  4. 家族への給与を必要経費にできる
  5. 屋号の銀行口座が持てる
  6. やる気になる
  7. 後ろめたさがなくなる

メリットたくさんです!
順に説明していきますね。

①青色申告ができる

開業届を提出することによる最大のメリットは、確定申告で青色申告ができることです。

確定申告は2種類の方法「青色申告」と「白色申告」があって、「青色申告」は少し確定申告の時に提出する書類が「白色申告」より難しくなるけど、とっても税金がお得になるというものです。

難しくなるといっても、最近はネット上の会計ソフトで簡単に書類作成できますので、青色申告をおすすめします。

【 徹底比較 】 個人事業主におすすめのクラウド会計ソフト!料金や特徴、シェア率など


青色申告をすると、年間収入から経費に加えて、65万円の控除ができるようになります。

また、開業して最初の年は、赤字が出る場合も多いかと思いますが、青色申告をした場合、個人の場合、3年にわたって赤字の繰り越しが可能です。軌道にのって収入が増えたときに3年前の赤字を繰り越して、扶養の範囲内に収入を抑えるなんてことも可能な訳です。

つまり、簡単にいうと、 青色申告 は、   結果的に納める税金が少なくなることになります。  

②3年にわたって赤字の繰り越しが可能

①の「青色申告」で確定申告をする場合は、最大3年間赤字を繰り越して計上することが可能です。

副業を始めた当初は軌道に乗らなく、赤字になることも多いと思います。
そんな時、3年間も赤字を繰り越して収入と相殺できるんです!

例えば、副業を始めた1年目は赤字が30万円あったとしたら、2年目に100万円の黒字が出た場合、2年目の事業所得を70万円として計算できるということです。

つまり、2年目以降に事業が軌道に乗った時も、税金を安く収めることができるということです。
ある程度、副業を継続する気がある人は、儲けがない時点でも、開業届を出すメリットは大きいと言えます。

③家の光熱費などを経費にできる

副業の場合、自宅をオフィスにしていることも多いと思いますが、①の「青色申告」で確定申告をする場合は、家賃や光熱費、電話代を経費として計上できます。

もちろん全額ではなく、使用しているスペースや割合に応じてですが、それでも経費にできるのは大きなメリットです。
経費にできるもの、割合の計算方法はこちらの記事を参考にしてください↓

家事按分で家賃や電話代などを経費に!割合など解説!

④家族への給与を必要経費にできる

副業の場合、家族に仕事を手伝ってもらうこともあると思いますが、①の「青色申告」で確定申告をする場合は、家族への給与を必要経費にできます。

この家族のことを「青色事業専従者」と呼び、「青色事業専従者給与に関する届出書」を事前に提出する必要があります。

生計を一緒にしていて、年齢が15歳以上という条件がありますが、経費にできるのは大きなメリットです。
ただし、この専従者給与を経費にする場合は、配偶者控除や扶養控除が受けられなくなりますので、どちらが節税になるかは確認しましょう。

⑤屋号の銀行口座が持てる

屋号とはお店や事業を始める際の名前のことです。
法人の場合、「○○株式会社」という会社名がありますよね。その個人版だと思っていただければいいと思います。

法人は会社名、個人事業主は屋号です。
つまり、お店をしている場合はそのお店の名前が屋号になります。

開業届を提出すると、その屋号で銀行口座が開けます。個人口座だけでも十分ですが、事業用の口座は分けたほうが経理作業も楽になりますし、屋号の口座を作ることで、お客や取引先からの社会的信用も高まります。

⑥やる気になる

開業届という正式な書類を出すことによって、「これでついにお店(事業)が法律的に認められた!頑張るぞ!」
という気持ちになります。

ブログ運営の開業の場合など、あまり実感がないものなんかは、提出することにより、特にそのような気持ちになるのではないでしょうか。

事業やお店の運営は、初動でつまづくと、モチベーションが続かなくなってしまうことがあるので、初動がとても重要と言われています。

私は顧客0の状態ですぐに開業届を提出しました(^^)

⑦後ろめたさがなくなる

開業届の未提出に対するペナルティは特にないと記載しましたが、これは「原則はダメだけど、収入があまりない状態で、確定申告されても税収にならないから、目をつむっておくか!」と税務署がやむなく見逃している状態になります。

「専業の人なら年間38万円以上、副業の人は年間20万円以上の所得になり、確定申告が必要になったタイミングで、開業届を提出すれば良い」という意見も聞きますが、お客様や取引先などがある場合に、開業届を提出していないというのは、信頼を失うことになるかもしれません。

正確には、お客様や取引様が、開業届を出している出していないかなんて知る由はないんですが、これも気持ちの問題ですが、後ろめたさがない状態で、堂々と商売した方が、いいサービスや商品を提供できると思います。

まとめ

まとめ
  • 起業したら開業届の提出は原則必要!期限は1ヶ月以内!
  • メリットもたくさんあるので早めに出すことをおすすめ!
  • 出す前にデメリットも確認しておきましょう!

開業届を提出することは、たくさんメリットがあります。
デメリットを確認して、自分にデメリットが当てはまらない場合、なるべく早く、開業届を提出しましょう!

開業届を個人事業主が簡単に郵送で提出する方法!【知らなきゃ損!】